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ひとりシニア 日々の思いを綴ります。

ちょっとおセンチ 秋の夜。

昨夜は ベッドに入ってから 詩を数編 読みました。黙読です。

吉野弘さん(1926~2014) なんとなく好きな詩人のひとりです。平易な言葉 優しい言葉 時には 鋭い言葉の表現で 日常の身近な出来事のなかにある人間の姿 あるいは 自然の姿を詠んでいる。何度読んでも その時々で 味わいがあり 決して飽きることがありません。

たまに 開きたくなるんです 吉野さんの詩集。我が家で 一番重たい本。測ってみたら 約1.5kg。

吉野弘全集

手だけでもっていると疲れるから テーブルの上で広げればいいのですが ベッドで読みたくなるから困ります。足をのばして 太ももにのせる。まるで 加圧ストレッチみたい。

この詩集 順番に読むなんてことはしません。パッと開けたページを読むことが多いです。でも 昨夜は 付箋をつけた 特にお気に入りの詩から 目を通しました。そのひとつ。

石仏晩秋に

うしろで
優雅な,低い話声がする。
ふりかえると
人はいなくて
温顔の石仏が三体
ふっと
口をつぐんでしまわれた。
秋が余りに静かなので
石仏であることをお忘れになって
お話などなさったらしい。
其処だけ不思議なほど明るく
枯れ草が,こまかく揺れている。


なぜ この詩に付箋をつけたかというと それは こんな写真を思い出すからです。

晶ちゃんの撮った写真

亡き夫が撮った 石仏の写真。わたしと結婚する前に撮ったものなので もう 40年以上経ています。モノクロのせいなのか ちっとも色あせていません。

夫は 写真が好きで 現像まで自分でやっていました。タンスの置いてある部屋を 真っ暗にして 夜な夜な現像していたことがあります。光を遮断するために ドアの隙間にはテープをはって 数時間籠っている。わたしは その頃は 写真に興味もなく カメラを持った夫にくっついて歩くだけでした。

42歳で逝ってしまった彼。こちらに戻ってくるとき 様々なものを整理しましたが その中には 夫の遺品であるカメラや機材が数点ありました。現像につかう器具は 写真好きな友達に また カメラ数個 & レンズは 義弟に譲りました。その時は カメラどころではなかったのですが 一個ぐらい手元に置けばよかったなと 今になって思います。

夫の撮った写真は 数点 手元に置いています。先ほどの写真は いつも飾っているもので いつだったか 夜中にバタッと落ちたことがあったんです。ただ単に 額を掛けてあるネジが緩んだだけだったのですが これは 夫からの 何らかのメッセージかと思い 少し経ってから お墓参りに行きました。しばらく 墓参していなかったので わたしを呼んでいるのかしらなんて思ったりして。なにしろ 100km近く離れたところなので そうそうは 出かけられないのですよ。

さて 『石仏』の詩を読んだら 写真を見たくなっちゃったので 本を置き もそもそとベッドから降りました。壁に掛けてある石仏の写真を はずしに行ったんです。それを 手に持ち また ベッドに上がって しみじみと写真を眺めます。吉野さんの詩にあるように お話しているような 笑っているような 温顔の石仏を見ていると 夫の笑顔も思い出されてくるようで。 ちょっとだけ おセンチになりました。涙が出るほどではないけれど 遠い昔をなつかしむ。よ~く なつかしんでは また 前に進みます。たぶん これからも 何度でも 繰り返し くりかえし 懐かしむことでしょう。

たった12年間の結婚生活でしたが 今となっては どんどん美化されて いい思い出ばかりが残っていきます。少しは 口げんかもしましたもの ごく ふつうにね。でも 不思議なもので 都合のいい記憶しか出てこなくなる。人間て ほんと 記憶の生き物です。まぁ それだけ 歳をとったということかしら。カラー写真は すっかり セピア色になり 様々な思い出も ぼんやりと美しい記憶の海に 漂っています。

わたしが 昨年あたりから 花の写真を撮るようになったのも 夫の影響かもしれない。あの当時は 全く興味がなかったけれど 長い間に 夫との記憶が温められて 今は すっかり 好きなことのひとつになりました。そういう意味でも 夫に 感謝 感謝です。

一夜明け

今朝の空。月並みな言い方ですが 空のカンバスで 誰かが サーッと筆を動かした感じ。誰かとは誰?大いなる誰かです。

1009朝の空

庭の片隅に ビオラが一輪。こぼれ種で 自然に咲いちゃったらしい。紫色が 何だか 凛々しい。

秋に咲いたビオラ

今週も すでに半ば。時の流れよ そんなに急がないで。

どうぞ よき一日をお過ごしください。

        

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